セッション

２０１５年度アカデミー賞。ダークホースが３冠を獲得したというニュースは世界中をかけめぐっただろう。
助演男優賞・編集賞・録音賞を獲得。
そしてこの作品の原案、脚本を生み出し、監督したのが３０歳のデミアン・チャゼルさんという新人なのだ。

【あらすじ】
名門音楽大学に入学したニーマン（マイルズ・テラー）はフレッチャー（Ｊ・Ｋ・シモンズ）のバンドに
スカウトされる。
ここで成功すれば偉大な音楽家になるという野心は叶ったも同然。
だが、待ち受けていたのは、天才を生み出すことに取りつかれたフレッチャーの常人には理解できない〈完璧〉を
求める狂気のレッスンだった。

視聴を開始して２０分、私のお弁当を食べる手が止まった。
究極の師弟関係とはこういう事かと…
しかしこれは序章中の序章に過ぎなかった。

同じ会社の先輩がセッションを、「ジャズ版、巨人の星」だという例えを教えてくれた。
しかし私は巨人の星を観た事がなかった。
けれどセッションを観終わった今、巨人の星がどれほど驚異的でスパルタなスポコンアニメなのかと、はじめて分かった気がする。

セッションはシンプルな構成の作品である思う。では何がよいのか。
それはリアルさだと思う。

主役のマイルズ・テラーのまだ何にも染まっていないナチュラルな風貌、そして狂っていく様。
鬼教官としての圧倒的な存在力をみせつけたＪ・Ｋ・シモンズ。

目をふせたくなるような強烈な指導の数々。
これこそが頂点を目指す人々が通ってきたリアルな道、光景なのかもしれない。
孤独や苦悩、葛藤から這い上がれたものこそが強者なんだと思わせた。

そしてこの映画の見所は、

ラスト９分１９秒です。

「ラスト９分１９秒の衝撃は圧巻にしてもはや痛快！」

と、うたわれていますが、まさにその通り！

どん底にいたあの光景が一瞬で忘れられるような、唯一無二の素晴らしいラストシーンがあります！

どうか最後まで油断せずに観てほしいです！

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