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ミニシアター文化を牽引した「シネマライズ」閉館。個性的な映画との出逢いを、ありがとう!

2016年1月7日(木)。ミニシアター文化の火付け役であった映画館「シネマライズ」(東京・渋谷)が閉館し、30年の歴史に幕を閉じました。『アメリ』『トレインスポッティング』『ムトゥ 踊るマハラジャ』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』『ブエノスアイレス』…など、アート色や個性の強い映画を上映し、長年にわたりミニシアター文化を牽引。映画ファンにとっては欠かせない存在です。 そんな愛する「シネマライズ」で公開された映画より、極私的に印象的な10作品を紹介させていただきます。

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ありがとう、「シネマライズ」!

「シネマライズ」で公開された、個性溢れる映画をご紹介。

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赤線』(2004年/日本)

赤線

花に涙を濺げ

知る人ぞ、知る!鬼才・奥秀太郎監督。野田秀樹らの演出家の舞台にも映像プランナーとして参加するなど、映像は革新的で美しく、圧巻です。「赤線」――終戦直後の日本。地図の上に赤い線で印を付けられ、半ば公認で売春が行なわれていた場所。 赤い灯りに誘われ男と女が求めあい、そして出会いと別れはループします。 中村獅童を主演に迎え、豪華キャストが、色街に渦巻く欲望と陰鬱なエネルギーを表現しています。

 

ベティ・ペイジ』(2006年/アメリカ)

ベティ・ペイジ
ボンデージなビスチェに身を包み、無邪気な笑顔で世界を虜にした伝説のピンナップ・ガール、その知られざる真実

世界の歌姫マドンナの過激なパフォーマンス、前髪を短く切り上げた黒髪に赤いルージュのハリウッド女優たち。 彼女たちが影響を受けたのは、まぎれもなくベティ・ペイジです。  猥褻なイメージだったボンデージ・ファッションは、ベティの存在によって、今やポップでキュートなアイコンにまでなりました。 裏マリリン・モンローと呼ばれ、たった7年で表舞台から姿を消した伝説のピンナップ・ガールのお話です。

 

こま撮りえいが こまねこ』(2006年/日本)

こま撮りえいが こまねこ
ひとコマひとコマ、愛をこめて

NHK「どーもくん」を生み出したアニメーション作家、合田経郎氏の作品。 コマ撮りは、人形をひとコマ(1コマ=1/24秒)ずつ動かし、照明・セット・カメラポジションを変えながら撮影するもので、 ひとコマひとコマに、愛が込められています。 主人公のこねこの女の子・こまちゃんの姿を通して、“自分らしくいること”の大切さが伝わってきて、ほっこり。大人の私は、すっかり置き去りにした童心を取り戻せたような気がします。

 

 『牛の鈴音』(2008年/韓国)

牛の鈴音
その老いぼれ牛は、お爺さんと一緒に30年も働きつづけた。

牛の寿命は15年ほどなのに、79歳になる農夫のチェ爺さんは、30年間ともに働いてきた牛がいます。 今では誰もが耕作機械を使う時代に、牛と働き、牛が食べる草のために畑に農薬をまくこともありません。 ある日、獣医から「この牛は今年の冬を越すことはできないだろう」と告げられ…。この老いぼれコンビは、 文明の進歩から置いていかれているようにみえても、むしろ、そこには、忘れてしまったいた優しさが流れていることに気づかされ、ハッとします。

 

息もできない』(2008年/韓国)

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二人でいる時だけ、泣けた。

俳優として活躍してきたヤン・イクチュン初の長編監督作品であり、世界中の映画祭・映画賞で、世界が泣き震えた映画。 愛を知らない男と、愛を夢見た女子高生の物語。 ヤン・イクチュン自身、家族との間に悩みを抱え、全てを吐き出すべく脚本を書き始め、家を売り払ってまで製作にこぎつけたそうです。 だから、この作品には、歴史の哀しみが流れ、魂の求めあいが表現されています。息苦しくてたまらないのでした。

 

バスキアのすべて』(2010年/アメリカ)

バスキアのすべて

マドンナが愛し、ウォーホルが嫉妬した。

80年代のアート界に新風を吹き込んだジャン=ミシェル・バスキア。 70年代にニューヨークで地下鉄や建物へのスプレーペインティングからはじまり、スターダムへと登りつめた輝かしいアーティスト。 同時に、いつだって、人種差別と向き合い、苦しんでいた1人の人間でもあります。 27歳の若さでこの世を去ったバスキアの栄光と終わりまでを本人のインタビュー映像をもとに綴られたドキュメンタリーです。

 

ブンミおじさんの森』(2010年/イギリス・タイ・ドイツ・フランス・スペイン合作映画)

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森や丘や谷を前にすると 動物や 他のものだった 私の前世が現れる

死を間近にしたブンミおじさん。亡くなった妻が現れ、行方不明の息子が姿を変えて現れ、 ブンミおじさんは、愛するものたちとともに森の中へ…。 タイ北部を舞台に、輪廻転生の物語がファンタジックに描かれてます。 まるでブンミおじさんと一緒に森を歩いているかのようで、 自然の匂いや気配までも感じながら、人の生死は、自然の巡りの一部だという素朴な死生観に触れるのです。

 

きっと ここが帰る場所』(2011年/イタリア・フランス・アイルランド合作)

きっと ここが帰る場所
人生は美しさで満ちている だけど、時々、何かが変だ・・・

2008年カンヌ映画祭審査員長のショーン・ペンが、パオロ・ソレンティーノ監督作『イル・ディーヴォ-魔王と呼ばれた男-』に惚れ込み、審査員賞を授与し、 二人は一緒に新作をつくることを約束。その結果がこの作品です。そして、見事に2011年カンヌ映画祭エキュメニカル審査員賞を獲得! 人間は人生の途中で悩み、誰かとめぐり合い、繋がっていく…。 そんな繊細な物語は、美しい演技、クールな映像、魅惑の音楽で彩られ、じわじわと沁み込んでくる映画です。

 

TRASHED ―ゴミ地球の代償―』(2012年/イギリス)

TRASHED ―ゴミ地球の代償―
誰がその代償を払うのか。

ゴミ処理問題の過酷な現状を世界へ叫ぶ痛烈なドキュメンタリー。 今、地球上でどんなゴミ問題が発生しているのか。無秩序に捨てられたゴミで埋め尽くされた川で、生活をする人々。 プランクトンと間違えて、プラスティック粒子を餌にする魚。世界中で不足している埋立地。ショッキングすぎて、絶句!まずは、できることから始めようと思い、私はエコバックを持ち歩くことにしました。

 

ぼくを探しに』(2013年/フランス)

ぼくを探しに
音楽、スイーツ、不思議なハーブティ。しあわせの鍵は、記憶の中にある。

『アメリ』プロデューサー × 『ベルヴィル・ランデブー』『イリュージョニスト』アニメーション作家:シルヴァン・ショメ監督。 待望の実写初長編です。両親を失ったショックで言葉を失った主人公が、不思議な力を持つ女性と出会い、人生の転機を迎える奇想天外な展開。 実写でも、ショメ監督節が炸裂!可愛くて、ちょっとシュールで、とびっきりのイマジネーション! このファンタジックな世界は、まるで夢の中にいるようでした。

 

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