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夏の恋の終わりに…。『愛の残像』を…。

お盆が終わり、夜は少しだけ肌寒くなり、ほんの少しばかり秋の訪れを感じるようになりましたね。夏の恋が終わる季節…。幸せ進行中の方々からは、「オィ、勝手に終わらせるな!」とお怒りのお言葉をいただいてしまいそうですが…(失礼…すみません…)。でも、恋の情熱の魔法がとけてしまった経験は、多かれ少なかれ、誰しもあるはず…。「始まりがあれば、終わりもある。終わりあれば、また始まりもある。」夏の終わりに、そんないことを考えながら、ちょっとセンチメンタル気味で、じっくり観たい映画です。

今のところ、私史上最強の鬱・恋愛映画。『愛の残像

(C)2011 – Rectangle Productions/StudioUrania

フランスの名匠フィリップ・ガレル監督による愛の物語。愛ゆえの狂気・・・。主人公は監督の息子、ルイ・ガレルが演じ、その相手をローラ・スメットが熱演しています。

【あらすじ】パリ。若い写真家のフランソワと人妻で女優のキャロルは激しい恋に落ちるが、すぐに関係は終わりを迎える。その後、キャロルは狂気にとらわれ、自ら命を絶ってしまう。1年後フランソワは新しい恋人と幸せな日々を過ごしていたが、突然キャロルの姿が見えるようになり・・・。(第61回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品。)

 

◆モノクロームで紡ぎだされた映像は、詩的。

いきなり始まりに漂うのは、尋常ではない空気。曖昧で、不安定で、不穏…。それは退廃美とは違って、狂気の美と毒の予感のようなもので、緊張感に包まれます。そして、その緊張感は、最後まで裏切りません。全編通して、どこを切りとってもアートです。

◆壊れやすく繊細。あまりにも切ない悲恋。

愛は強さや優しさを与え、一方で、愛の喪失は心が崩壊…。恋に落ち、流れ着いた愛から抜け出せなくなる…。人を変容させていく…。恋って?愛って、何なのさ?どっしり重苦しいですが、観て後悔はしません。

 

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夏の恋の終わりに…。そっとオススメします…。

何だか気が狂いそうになる映画。夏の恋の終わりに、危うい脆い気持ちを秘めて、静かにご覧ください。トラウマになりかけますが…、また観たくなります。

 

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