蝉の鳴き声も儚くなり、夏の終わりの気配を感じるようになりました。夏の終わりの季節に、しっぽりと観たくなる映画があります。愛と官能の『夏の終り』と、恋とファンタジー『DOG STAR』。全く世界観の違う映画ですが、この時期に、ピッタリな厳選2本です。
官能小説的。女は、懺悔しながら生きていく・・・。
瀬戸内寂聴原作、ひとりの女とふたりの男の、センセーショナルな愛の物語。
作家、尼僧として著名な瀬戸内寂聴が自分の体験を綴った私小説を、鬼才・熊切和嘉監督が映画化しています。妻子がいながら不倫を続ける年上の作家の男。昔関係のあった女性に感情が芽生え苦しむ年下の男。その2人の間で揺れ動く女。
この2人の男の狭間で揺れ動く女を満島ひかりが熱演。そして相手役の男は、小林薫と綾野剛。
自らのうちに潜む女の業に苦悩する姿は、社会の常識に翻弄される姿でもあり、これでもかってくらい女の欲深さと残酷さを目の当たりにします。そして、それは、痛々しかったり、生々しかったりするのでした。
少女マンガ的。女は、理想を追いかけ生きていく・・・。
人間の姿になった盲導犬と、彼が会いたいと願う元飼い主の女性との愛のファンタジー。
もし願いが一つだけ叶うとしたら、人間になって、子犬の頃に一緒に暮らした少女ハルカにもう一度逢いたい…。この盲導犬シローの願いが神様に届き、シロ―とハルカの温かな物語が始まります・・・。
犬が、トヨエツ!!そして、シロ―ガ想いを寄せるハルカ役には、井川遥。
トヨエツが、犬にしか見えませんでした。その存在、言葉、表情、すべてが切なくて、キュンとします。そして、シロ―とハルカの関係は、純粋で、美しくて、もどかしくて・・・。じんわりと、涙がでてきます。
夏の終わりに。しっぼりと。そんな雰囲気が心地よい・・・・・・・。
——————————————————————————————————–
(C)2012年映画『夏の終り』製作委員会 (C)DOG STAR製作委員会
※ご留意事項※ 将来、テキストや画像をクリックし、飛び先がリンク切れになる場合は、配信期間が過ぎ終了したためです。ご了承いただけると幸いです。